環境の変化に柔軟性が欠ける政治に喝

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・最近の政治は、環境の変化に対応できておらず、科学的な議論すらできていないのではないかと危惧しています。
・田中均氏は、北朝鮮との交渉を行い、拉致被害者の返還をリードしてきた、外務省の元官僚です。
・新型コロナウイルスの対応を巡り、行き当たりばったりで、環境の変化に柔軟に対応できていないと指摘します。

 

最近、国民の意識とはかけ離れた政府や政治家の言動が目につく。新型コロナウイルス感染拡大防止と経済回復を、難しいバランスの上で進めていかなければならないのはよくわかるが、感染が急速に再拡大している時に、人と人との接触につながる観光促進計画「Go Toトラベルキャンペーン」を前倒しで実施することをどう評価するのか。また、あれだけ反対の強かった「イージス・アショア」計画を突然に撤回し、瞬くうちに「敵基地攻撃能力」の議論を進めるのをどう受け止めればよいのか。この二つの事例から見えてくるのは、政治が環境変化に応じて柔軟に対応していく能力(コンピタンス)に欠ける一方、バランスが取れた合理的・科学的議論すら希薄になっていることだ。

https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20200720/pol/00m/010/002000c

 

新型コロナウイルスの対応を巡り、GoToトラベルキャンペーンだけでなく、アベノマスクや特別給付金、補助金の中抜き問題など様々な施策において、明らかに日本国民の意識とはかけ離れた対応をしているのではないかと、元外務省の田中均さんが政治に喝を入れています。

 

田中均さんは、1947年1月15日生まれ、これまでに外務省アジア大洋州局長や外務審議官を務めてきた外交官で、2002年には史上初の日朝首脳会談、日朝平壌宣言、拉致被害者の一部返還などに尽力してきました。これまでも安倍政権に対して批判的で、厳しい言葉で批判を行ってきたことでも知られる田中均さんですが、今回の主張の内容には一貫性があり、専門家の声を無視する、国民感情に逆らう政策を連発させる状況に対する厳しい指摘にも正当性があります。

環境の変化に対応する能力をコンピタンスと呼びますが、政治がこのコンピタンスに欠けていると田中均さんは指摘するだけでなく、科学的な議論すら希薄になり、バランスすらとれていないのではないかと疑問を投げかけます。誰しもが思う疑問、そして、マスコミでなかなか出てこない、本質的な批判を展開する田中均さんです。