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穐田誉輝 エンジェル投資家としてのポリシーとは
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2018年10月まで7年間、社外取締役・出資者として株式会社カラダノートをサポートしてきた穐田誉輝氏。当社代表の佐藤竜也が、あるプロジェクトをともにしたことからご縁がつながりました。ともにユーザーに特化した生活密着型事業を行なってきたふたりが、この領域での事業の意義やあり方について語り合いました。
カカクコム、クックパッド、くふうカンパニー、ロコガイドと複数の会社経営を行ってきた穐田誉輝さんですが、エンジェル投資家としてこれまでに多くの企業に資金提供を行ってきました。先日上場した株式会社カラダノートに対しては、2011年に出資を行い、9年後の2020年に上場を果たすことになります。
2009年に穐田誉輝さんが関与していたプロジェクトに、カラダノートの代表である佐藤竜也氏がボランティアとして参加しており、この時に穐田誉輝さんは佐藤氏の人柄を認め、2回の朝食を経て4000万円の出資を行いました。しかも、事業計画書や決算書などを見ず、健康に関係する会社がもっと増えればいいという考えで決断したから驚きです。穐田誉輝さんには投資する際のポリシーがあり、世の中に必要とされ、そのサービスが出てきたら世の中の人々が喜ぶであろうサービスかどうかを出資する基準にしているのだとか。また、世の中の不便をなくしたいという思いもあり、自分が出資することでその不便が解消されるのであれば出資することを迷わないと穐田誉輝さんは語ります。
スマートな出で立ちの穐田誉輝さんですが、実際は熱いハートを持ち合わせた人物であり、運と気合が大事だとアピールします。努力は前提条件として、その先の結果に関しては、サービスを始めるタイミングが絶妙なタイミングなのか、そして、サービスにオリジナリティがあって、唯一無二の存在になっているのか、そのためにそのサービスに一番詳しいのは自分であると当事者視点で考えるづける覚悟が必要であると穐田誉輝さんは考えます。また20代で株式上場を果たしたリブセンスの村上太一さんは、大学時代に創業していますが、行き詰まりを見せていた時期に穐田誉輝さんと会っており、そこで、ユーザーのことだけを考えろというアドバイスをもらい、それで奮起し、株式上場までこぎつけています。
いつ何時も同じような考え方で物事を見ている穐田誉輝さんですが、ベンチャーキャピタルの中で働いていた経験も大きく、ベンチャーキャピタルからお金を集めるだけ集めて結局成功しなかった例を紹介しています。お金を集めるために事業投資を行うのではなく、お金を消費するだけで終わっているケースをたくさん見てきたため、お金をどのように使うのかではなく、いかに頭を使って価値を見出すかが大事であると考えているのが穐田誉輝さんです。
2018年に社外取締役を辞めて、2020年の株式上場まで大株主を務めていた穐田誉輝さんですが、意外なことに、ギリギリで上場するのは避けるべきだとアドバイスを送っていたのだとか。上場するメリットもあるけれど、上場するデメリットも同じだけあり、そのデメリットの部分を伝えたかったというのが穐田誉輝さんの考えです。圧倒的ナンバーワンをカラダノートに求めた穐田誉輝さんでしたが、株式上場を見届けて株を売却した背景にはいったいどのような思いがあったのかは定かではありません。
カラダノートは圧倒的ナンバーワンになれないと判断したのか、それとも、自身が大株主を務めるくふうカンパニーのグループ企業になることを目指したものの、それがかなわなかったからか、様々な憶測が出ています。しかし、穐田誉輝さんのアドバイスを忠実に守ったからこそ、カラダノートは株式上場につなげられたのかもしれません。エンジェル投資家としてまだまだ若く、それでいて経験がとても豊富な穐田誉輝さん、次の投資先をもう見つけているのか、それとも、経営者として専念するか、そのあたりがとても楽しみです。